小木曽のバネブログ

進化はしないが、変化はできる。できる男になってやる。

2015年 10月 27日

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アキトの履歴書 59

2015.10.27

カテゴリ : ルーツ/アキトの履歴書

 
(祇園の一番花 あばれみこし)
 
 神輿の出発は夜7:00頃からだが、その前座としての祇園囃しの運行も大変重要である。神輿が出る前に、
 
町(通り)を浄める意味もある祇園囃しの運行を無事終える(夕方4:00頃)と、本番の神輿の出番が待っている。
 
私を含む会員(男子のみ)は、それぞれ一旦家に帰り、今度は急ぎ夕食をすませ、パンツにサラシ、地下足袋の姿で
 
津島神社に駆けつける。その後は、神事が終わるのを今度は担ぎ手として待つのだ。
 
 私はこの年、青年会長であったので、神男としての役目を担っていた。
 
神輿に神を乗り移して町内を練り歩くという一大イベントの主役だ。夕方6:00頃、神社の社殿に馳せ参じると、
 
社殿の中は神主、氏子総代、商工会長、他の面々。神事に参列する方々で満員状態だった。
 
初めての私は恐る恐る入っていったが、神主さんから、「こちらへ」と案内があり、席に着いた。厳かの内に神事は進み、
 
玉串奉納となった時、神主さんから再び声がかかった。氏子総代の方から
 
『さあ、今日の主役は会長さん』(あんただから一番先に神様の前に行って下さい)
 
と言われた。私は、神主さんが行った動作を見よう見まねで玉串奉納したのだった。この時は内心
 
“神男って、えらい、すごい、カッコいい”
 
としみじみ味わっていた。
 
 神事も済み、いよいよ今宵今晩、神を神輿に乗り移す儀式となる。神主さんが取り出してきたご神体を、
 
私も手伝う形で神輿の簾(すだれ)を開け、神輿の中へと招き入れ、その心棒に麻ひもをしっかりと結びつけた。
 
担ぎ手衆にお神酒が振る舞われたところで、私の、神男としての挨拶。
 
「祇園祭の一番花である神輿の出発に先立ち、一言ご挨拶申し上げます。本日ここに津島神社祭典が行われますことは
 
氏子総代様はじめ、関係各位のご尽力の賜物と心より御礼申し上げます。本日の進行は、神社を出まして南へ向かい
 
里宮にて折り返し、北へ向かい大曲がりを経てキネヤさん宅に出て本通りを元に戻り駅前に行き、折り返し
 
神社に戻って参ります。無事に帰ってこられますよう皆様のご協力をお願い申し上げます。以上。」
 
 まさに祇園祭で一番の男の花道といえる瞬間。
 
一生一度の神男のこの挨拶口上も、伝統ある口上で代々引き継がれ、前会長から新会長へと口伝えされてきたものだ。