アキトの履歴書 2
2009.5.12
(命拾い)
川遊びと言えば、3歳になった頃(昭和21年)、自宅の横を流れる小川を飛び越えようとして落ち、
そのまま頭をゴトゴトと石で打ちながら2、30メートルほど流され、その川の曲がりっぱなで
母に拾い上げてもらったことを今でもはっきりと覚えている。
ずぶ濡れの着物でしゃっくり泣きをしていたことまで。
また、5、6歳の頃だろうか、“北の城のつり橋”を渡り岩場を下りたところに、魚釣りに行った。
その時、隣の先輩は親の釣竿を持っていて、岩肌を伝った先で釣りをしていたので、
私も釣るポイントを移動しようと、その先へと岩肌を伝っていった。しかし、途中岩がすっぽりと岸から崩れ落ち、
岩もろとも深い川の中にドボンと落ちてしまった。
その頃はまだ泳ぎが出来なかったので、もがきながら浮きつ沈みつ、
先輩の釣っている川下へと流された。先輩の前まで私が流されていった時、そこで初めて彼は気が付いてくれた。
「早く竿につかまれ。」
と、呼ぶより先に出された竿には当然つかまったのだが、
無情にもその竿は繋ぎ目から見事に抜けてしまったのだった。そのまま流され“死ぬかも知れん”と思った直後、
私の背丈でも足の届く、水かさが首の高さのところまでの浅瀬に、どうにか足先が触れたことで、
命拾いをしたのだった。
その時にも、勿論、着ているものはずぶ濡れになったが、シャツやズボンは岩に載せて乾かしてから、
何事もなかったように帰宅したのだった。
ちなみに、泳げるようになったのはその後、小学4年生か5年生になってからだと思う。
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